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杵藤地区広域市町村圏組合消防本部

消防広報

令和元年8月豪雨 消防力を結集し、災害対応を行いました


 

1 気象の状況(気象庁情報等)
 黄海から西日本を通り東に延びる前線に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、令和元年8月27日から 九州北部地方を中心として、局地的に猛烈な雨が降り、28日5時50分、佐賀県、福岡県及び長崎県に大雨特別警報が発表されました。
 九州北部地方では、降り始めからの降水量が600ミリを超えた所があったほか、佐賀県、福岡県及び長崎県では、8月の降水量の平年値の2倍を超えるなど、記録的な大雨となりました。

 なお、発表されていたすべての大雨特別警報は、同日14時55分、大雨警報に切り替えられました。

 

大雨特別警報
台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合  気象等に関する特別警報の発表基準(気象庁HP)


(1)雨量の状況:令和元年8月28日(杵藤地区消防本部通信指令センター観測値:武雄市武雄町)


(2)気象レーダー画像(8月28日気象庁HPより)

 

 

2 災害の概要
 管内では、大雨により管内各地の道路が冠水し、六角川の決壊や越水はなかったものの六角川流域である武雄市、大町町で広範囲に浸水しました。
 県内の住家等の被害状況は、全壊87棟、大規模半壊107棟、半壊751棟、一部破損24棟、床上浸水760棟、床下浸水4,301棟(令和元年12月10日08:30現在 佐賀県調べ)で、管内では、死者3名、孤立者が多数発生しました。また、浸水により大町町内にある工場の油槽から11万リットルの焼入れ油が流出したことにより、危険物である油の回収等のため災害が長期化しました。(写真:熊本県防災消防航空隊提供)

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3 活動状況
 (1) 消防本部の対応
  8月27日(火)
         09:43   消防本部災害対策連絡室、消防署災害対策連絡室設置
         10:15   消防本部災害対策準備室設置
         18:00   災害対策消防本部(第1配備)設置
        武雄消防署、白石消防署災害対策消防隊本部(第1配備)設置
  8月28日(水)
         04:14   災害対策消防本部(第2配備)へ移行
        管内各署災害対策消防隊本部(第2配備)へ移行
         05:00   災害対策消防本部(第3配備)へ移行
        管内各署災害対策消防隊本部(第3配備)へ移行
         14:07   緊急消防援助隊要請
         17:15   災害対策消防本部(第2配備)へ移行
        管内各署災害対策消防隊本部(第2配備)へ移行
         21:00   佐賀県常備消防相互応援協定に基づく県内消防本部への応援要請
  8月29日(木)
         00:00   災害対策消防本部(第1配備)へ移行
        管内各署災害対策消防隊本部(第1配備)へ移行
         17:15   管内各署災害対策消防隊本部(第1配備)を解散し、消防署災害対策連絡室へ移行
  8月30日(金)
         08:15   鹿島消防署災害対策連絡室解散
         08:20   嬉野消防署災害対策連絡室解散
  9月9日(月)
         17:00   災害対策消防本部解散
        消防本部:消防本部災害対策連絡室へ移行
        武雄消防署、白石消防署:消防署災害対策連絡室へ移行
  10月7日(月)

         09:15 武雄消防署、白石消防署:消防署災害対策連絡室解散

 

(2) 消防本部の活動概要
 8月28日4時12分、武雄市北方町内の女性から「水が住宅に入って肩まで浸かっている。ドアが開けられず、外に避難することができない。」という第1報で、特別救助隊が出動しました。この時、すでに六角川流域の武雄市及び大町町は未明からの時間雨量100㎜を超す大雨と大雨による六角川の水位上昇で、六角川への排水ポンプが停止し、さらに有明海の満潮時間が重なり、六角川流域の武雄市及び大町町の広範囲で浸水し、武雄市及び大町町一帯は最高2.0ⅿ前後も浸水することとなりました。
 当消防本部通信指令センターには、浸水した地区から多数の救助・救急要請があり、救助及び救急活動を行い、第1報から豪雨災害による救助・救急要請が同日の21時台までに、387件の119番通報がありました。また、同日6時45分に浸水した大町町内の工場から大量の油流出を覚知し、対応を行いました。

 同日、管内における被害の状況から緊急消防援助隊(熊本県大隊)及び佐賀県内常備消防相互応援協定に伴う消防隊の応援要請を行い、翌日の29日、緊急消防援助隊による武雄市(橘町、朝日町)、大町町の孤立者救助及び安否確認が実施され、県内の応援消防隊により、大町町内で浸水した病院へのスタッフ及び支援物資の輸送が行われました。また、30日、当消防本部、県内応援消防隊、緊急消防援助隊、自衛隊等で工場から流出した油の流出範囲の調査、回収等を行いました。
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(3) 緊急消防援助隊(熊本県大隊)の活動概要
   8月28日  
         14:07  緊急消防援助隊要請  
          20:40  緊急消防援助隊(熊本県大隊:42隊137人)が杵藤地区消防本部に到着し、活動開始  
   8月29日  大町町孤立者救助、武雄市橘町及び朝日町内安否確認  > 
   8月30日  大町町鉄工所周辺 流出油回収活動  
          16:30  緊急消防援助隊(熊本県大隊)活動終了  


(4) 佐賀県内常備消防相互応援協定に伴う県内応援消防隊の活動概要
   8月28日  
         21:00  県内応援消防隊(4消防本部)要請  
   8月29日  大町町内の病院へのスタッフ搬送及び後方支援物資輸送  
   8月30日  大町町鉄工所周辺 流出油回収活動  

          16:45 県内応援消防隊活動終了(活動隊延べ:16隊59人) 
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(5) おわりに
 今回の豪雨では、多数の119番通報を入電したため、管内の消防力を結集し、総力を挙げて浸水地区の救助・捜索活動のため、救助ボート、水上バイク等を活用し、当消防本部、市町消防団、県内応援消防隊、緊急消防援助隊、警察、自衛隊、関係機関等と協力して全力で災害対応にあたりました。
 この災害で、当消防本部は28日の第1報から29日未明までに活動隊員延べ191人で409人を救助しました。また、佐賀県及び武雄市の災害対策本部へ職員を派遣し、関係機関と連携を図るとともに、被災建物や道路状況、各地区の避難状況の把握、避難誘導等を行いました。
 しかし、浸水被害や土砂災害による道路の寸断などで、被災現場に近づくことができず、自力で避難できる人には、垂直避難をお願いして重篤な人から救助する状況で、活動は難航しました。また、消防隊の活動、情報収集及び労務管理の面で、さまざまな問題・課題を突き付けられ、災害対応への困難さに直面しました。
 最後に、被災された住民の方々がいち早く普段の生活に戻られることを強く願っています。